オラクル本社の外観
午後17:30、アメリカはサンフランシスコのサンマテオという町にあるオラクル本社に到着。
広大な本社敷地の中に、大きな湖が広がっている。湖の中央には、オラクル創設者であり会長のヨットが静かに横たわっていた。昔は大きな世界大会にこのヨットで出場したようである。
湖に取り囲まれるようにして、データベースの記号のような形をした本社ビルが6棟ほど並んでいる。
かなり斬新なデザインの近代的なオフィスビルだ。
湖上には、白鳥とカモが泳いでいてのどかな風景である。
オラクルのエンジニア
中に入ると、金曜の17時半だというのに、ほとんど人影がなく、みんな帰宅したとのこと。
なんでも、残業すると仕事ができないと思われるため、それを恐れて仕事が終わっていなくても、週末自宅に仕事を持ち帰る社員もいるそうである。
コーディングでつっかかっているような人はダサいという企業文化なのだろうか。
まさに、才能がすべてのIT業界。
才能があれば、仕事も楽しい、いい案件ばかりくる、お金もうなぎ上り、逆に才能がなければすべてが逆になるため、苦痛である。
このオラクル本社に勤務する社員の9割がインド人だそうで、ここだけアメリカとは別世界だそうだ。
才能があるエンジニアの流出は激しく、いかに食い止めるかがマネージャーの仕事のメインだそう。サインを見逃さない、面白い案件、スキルが伸びる案件を才能があって出ていきそうなエンジニアにアサインし続けてヨイショするとのこと。
そういった面では、オラクルではビックプロジェクトが常に動いているため、案件に困らないそうです。
充実したオフィス内部の施設
本社ビルの外観とは異なり、オフィス内の机、パーティションなどオフィスレイアウトのデザインは、20年前からのもので古い感じであった。
びっくりしたのは、オフィスビルの中に、プールやジム、バスケットコートがあることである。
Facebookには卓球台や落書きウォールがある事は有名だが、まさか建物の中にプールがあるとは。。
朝ひと泳ぎしてから仕事、お昼休みにバスケットボール、という生活がここでは普通に行われている。
インドのコンピュータサイエンスの有名大学を卒業した学生の優秀な人のほとんどが、こういったアメリカ企業に就職し、次に欧州などに行き、優秀なエンジニアは基本的にはインド国内にあまり残っていないのが現状である。
パロ・アルトの街
オラクル本社を後にして、サンノゼ地方のパロ・アルトにあるスタンフォード大学に車で向かった。
サンノゼは、まさにシリコンバレーの中心だが、高速道路や世界に名だたる企業の大きな建物が密集しているだけで、繁華街といえるのはこのパロ・アルトだけである。スタンフォード大学の中心とまっすぐに一本の道路でつながったパロ・アルトは、スタンフォードの学生たちで賑やかでスタートアップの小さなオフィス、飲食店やブランドショップが並ぶ。
パロ・アルトに向かう高速道路の反対車線は大渋滞で、サンフランシスコのシティに向かうGoogleの社員を乗せた大型バスと何台もすれ違った。Googleの社員多くは、何にもないサンノゼではなく、車で40分くらいのサンフランシスコシティに暮らしている。お店や飲食店も多くパーティーも頻繁に開かれる大都市に住みたいのである。
そういったサンノゼのIT企業の社員が、サンフランシスコシティにマンションを借りるため地価が上がり続け、今ではあの家賃が高いことで知られるニューヨークを抜いてしまったとか。
昔からサンフランシスコに住んでいる地元の人々は、それに不満を持っており、Googleに抗議しているそうだ。Googleは渋滞を少しでも解消するため、自社からサンフランシスコをつなぐ運河を建設中とのことで、何ともスケールの大きな話。
一度こんな環境で仕事をしてしまったら、もう日本には帰れないだろう。